法人クレジットカード10社比較―法人クレジットカードの特徴やメリットとは―

この記事の目次
今回は、法人クレジットカードのあれこれについて見ていきましょう。
法人クレジットカードとは
まずは、 法人クレジットカードとはなにかについて見ておきましょう。
特徴
法人クレジットカードの特徴、言い換えれば個人向けのクレジットカードとの違いはいったい何でしょうか。
- 法人クレジットカードとは?
- そもそも法人クレジットカードとは、その名の通り、法人格を持つ団体向けに作られたクレジットカードを指します。カード会社やカードの種類によっては、「法人カード」、「ビジネスカード」、あるいは「コーポレートカード」という具合に呼び方が違っている場合がありますが、コーポレートカードは大企業向けのカードであるという点以外はあまり変わりはありません。この記事内では「法人クレジットカード」という呼称で統一します。
- 限度額は?
- クレジットカードで重要なのが「限度額」。個人向けのクレジットカードではたいてい10万円から始まり、最大でも数十万となることがほとんどです。一方法人クレジットカードはどうかと言うと、こちらも最初は数十万から開始するというカードが多く見受けられます。ただ、法人クレジットカードの限度額は最大で300万程度に設定されているカードが多く、もちろんコツコツとクレジットヒストリーを作っていけば限度額を大きくしていくことができます。
- 引き落とし口座は?
- 個人向けクレジットカードの引き落とし口座は個人名義の口座しか指定できませんが、法人クレジットカードは、引き落とし口座に会社名義の法人口座を指定することができます。これはこの後説明するメリットに関係します。
- 決済方法は一括払いが原則
- 個人向けクレジットカードであれば、リボ払いやボーナス払い等さまざまな決済方法がありますが、法人クレジットカードではそのような決済方法は使えるのかというと、分割払いやリボ払いは利用できないものが多く、基本は一括払いです。ただし、一部の法人クレジットカードでは、分割払い等も選ぶことができます。
個人事業主でも申し込めるか?
法人クレジットカードという呼び方から、個人で事業を行っている方の中には「私でも申し込めるのか?」と思う人もいらっしゃるかもしれません。結論から言えば、個人事業主でも法人クレジットカードに申し込むことはできます。その場合、引き落とし口座には事業主の個人名義か屋号名義の口座を指定できます。ただし、カード会社の中には、個人事業主は申し込めない法人クレジットカードも存在します。
法人クレジットカードの選び方

法人クレジットカードを選ぶポイントは、なんと言ってもコストパフォーマンス、つまり年会費に見合ったサービスを受けられるか、です。そのポイントをまとめてみます。
年会費
ほとんどの法人クレジットカードには年会費がかかります。価格ははもちろんカードによってさまざまです。以下に一例です。
年会費 | 特記事項 | |
---|---|---|
ライフカードビジネス | 0円 | |
JCB法人カード(一般カード) | 1,250円 | 初年度無料 |
オリコビジネスカードスタンダード | 1,250円 | 初年度無料 |
オリコエグゼクティブゴールド | 2,000円 | |
アメリカンエキスプレス・ビジネス・カード | 12,000円 |
このように、年会費永年0円(これは法人向けでは例外中の例外ですが……)のものもあれば、1万円以上のものもあります。ゴールドカードとなるとそれ以上のものもザラに見受けられます。「経費処理の効率アップを最重要項目とし、付帯サービスはあまり多くを求めない」というような場合は、年会費0円のものを選ぶのも手でしょう。一方、ステータスを重視するのであれば、多少は出費してもゴールドカードを選ぶという選択肢もあります。
ポイント還元率
ポイントの還元率も重要なポイントです。上の年会費で挙げたカード+αの還元率を、Tポイントをもとに見てみると…
○円=○ポイント | ○ポイント→○Tポイント | 還元率 | |
---|---|---|---|
ライフカードビジネス | ポイントプログラムなし | × | × |
オリコエグゼクティブゴールド | 1,000円=1暮らスマイル =5オリコポイント | 1,000オリコポイント→1,000Tポイント | 0.5% |
オリコビジネスカードスタンダード | ポイントプログラムなし | × | × |
JCB法人カード(一般カード) | 1,000円=1Oki Dokiポイント | 1Oki Dokiポイント→最大5Tポイント | 最大0.5% |
アメックス・ビジネス・カード | 100円=1ポイント | 3,000ポイント→最大1,500Tポイント | 最大0.5% |
MUFGカード各種 | 1,000円=1グローバルポイント | 500グローバルポイント→2,250Tポイント | 0.45% |
三井住友ビジネスカード | 1,000円=1ポイント | 1ポイント→4.5Tポイント | 0.45% |
となります。個人向けのクレジットカードよりは還元率は低くなりますが、ポイントプログラムが用意されているカードであれば貯まることは貯まります。しかも法人での利用なら金額も大きくなりますから、その分貯まるポイントも多くなりますね。
付帯サービス
付帯サービスには、国内・海外旅行における補償、空港ラウンジ利用のサービス等、さまざまなものがあります。また、法人向けの特徴としては、クラウド上での会計ソフトを付帯サービスにしているカードもあります。以下に一例を挙げてみます。
- 国内・海外旅行傷害保険
- 個人向けクレジットカードにもよくみられるサービスですが、クレジットカードで旅費を支払った旅行中に事件や事故に巻き込まれ、怪我をしたり入院したり、最悪の場合死亡したりした場合、損害額のうちいくらかをカード会社が補償してくれるサービスです。カードによって補償額が違ったり、国内旅行は対象外だったりと差異が出てきますから、出張が多い会社の場合はこの点を基準に選ぶのもアリです。
- 空港ラウンジの無料サービス
- 成田空港や関西国際空港など、国内の空港にあるラウンジを無料で使えるサービスがある法人クレジットカードもあります。こちらも出張が多い会社にとっては魅力的ですね。
- 弁護士などの専門家紹介サービス
- 弁護士や会計士など、さまざまな方面の専門家を紹介してくれるサービスを用意するカードもあります。企業なら顧問弁護士等がいる場合も多いですが、特に個人事業主には心強いサービスですね。
- 福利厚生
- ホテルやレジャー施設が割引になるサービスを受けられるものもあります。社員旅行の際に便利です。
- クラウド会計ソフトとの連携
- クラウド会計ソフトの割引サービスを用意するカードもあります。クレジットカードとクラウド会計サービスを紐付けておけば、カードを使って支払った情報が自動で反映されます。つまり、手動でいちいち入力するのではなく、自動で会計帳簿をつけてくれる、ということです。経費処理の手間が省けます。参照:クラウド会計ソフト freee(フリー)|ビジネスカード(法人カード)・事業融資のオリコ
まずはチェック!必見の法人クレジットカード3選
さて、それではここで、とにかく必見の法人クレジットカードを3枚ピックアップし、特徴を見ていきましょう。
スタンダードな1枚……「JCB法人カード(一般カード)」
- 年会費
- 1,350円(初年度無料)
- ポイントプログラム
- あり
- 追加カード
- 使用者1名追加ごとに1,350円、ボーナスポイント進呈あり
- 付帯サービス一例
- 旅行保険(国内・海外)
- ショッピング保険(最高100万円、海外のみ)
- ETCカード(年会費無料、枚数制限なし)
- JCBタクシーチケット
参照:JCB法人カード | クレジットカードのお申し込みなら、JCBカード
日本唯一の国際ブランドであるJCBが発行する法人クレジットカードです。年会費は初年度無料、2年目以降は1250円とスタンダードな値段設定で、用意されている付帯サービスも一定のレベルのものがそろっています。ただし、しっかりとしたブランドである以上、審査は厳しいようで、起業間もなかったり赤字が連続したりしているようだと、なかなか通らないと言われているようです。実績のある事業主が効率上昇を目的に申し込むのであればおすすめと言えそうですね。
初めて法人カードに申し込むなら……「アメリカンエキスプレス・ビジネス・カード」
- 年会費
- 12,960円
- ポイントプログラム
- あり
- 追加カード
- 1枚ごとに6,480円
- 付帯サービス一例
- 空港ラウンジが無料
- 最高5,000万円の旅行保険
- 四半期毎に利用記録を集計しレポート化
- 福利厚生プログラムの年間登録料が無料
- ETCカード(初年度無料、2年目以降も年1回以上使えば無料)
参照:アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カード
アメリカンエキスプレス、略称アメックスが発行するビジネスカードです。年会費は1万円台と高めですが、その分用意しているサービスは多彩です。四半期毎にカードの利用記録を集計してレポート化して送ってくれるなど、ビジネスには非常にありがたいサービスがあります。年会費が高い分、パフォーマンスはしっかりしています。初めて法人クレジットカードに申し込むという事業主におすすめのカードです。
年会費無料の法人カードなら……「ライフカードビジネス(スタンダード)」
- 年会費
- 永年0円
- ポイントプログラム
- なし
- 追加カード
- 無料
- 付帯サービスの一例
- クラウド会計ソフト「freee」の2カ月無料延長
- 福利厚生サービス(通常10万円の施設入会料が無料)
参照:ライフカードビジネス(スタンダード)|クレジットカードはライフカード
ライフカードといえば、数年前にオダギリジョーが出演したCMを覚えていらっしゃる方もいるのではないでしょうか。ライフカードビジネス(スタンダード)の特徴はなんといっても年会費が永年無料であること。これは法人クレジットカードとしては稀有の存在です。「その分付帯サービスは大したことないのでは?」と思われるかもしれません。確かにサービスの数は他のカードほどは多くありませんが、注目すべきは質です。ライフカードビジネス(スタンダード)の付帯サービスには、クラウド会計ソフト「freee」が2ヵ月間無料で延長できるというものがあります。年会費有料のカードであればこの手のサービスは良く見受けられますが、年会費無料であるのにクラウド会計ソフトをサービスに持ってくるという点は、なかなかの高得点と言えます。経費削減と効率上昇を狙うのであれば必見のカードです。
おすすめ法人クレジットカード7選
さて次に、カードのタイプ別におすすめのものをピックアップして見てみましょう。
銀行系の法人クレジットカードなら(その1)……「三井住友ビジネスクラシック(一般)カード」
- 年会費
- 1,350円
- ポイントプログラム
- あり
- 追加カード
- 20名程度まで、1枚ごとに432円
- 付帯サービスの一例
- ETCカード(初年度年会費無料、2年目以降は540円。ただし1回利用すれば無料)
- 旅行保険(海外)
- プラスEXサービス
- レンタカーや引越し業者などの優待がある「ビジネスサポートパック」
- 「勘定奉行」と利用明細のデータ連携
- VJタクシーチケット
参照:三井住友ビジネスカード | 法人カードの三井住友VISAカード
銀行系の法人クレジットカードでおすすめなのがこの「三井住友ビジネスクラシック(一般)カード」。年会費は1350円、ビジネスに必要な機能も一通り付いている、スタンダードなカードです。「勘定奉行」とカードの利用明細がデータ連携しているのも嬉しいですね。ただし、申し込みは法人のみ可能で、個人事業主は残念ながら申し込めません。
銀行系の法人クレジットカードなら(その2)……「MUFGカード ビジネス」
- 年会費
- 1,350円(国際ブランドを2つ選択する場合1,620円)
- ポイントプログラム
- あり
- 追加カード
- 1名ごとに1,350円
- 付帯サービスの一例
- ETCカード(年会費無料、発行手数料1,080円)
- MUFGカードタクシーチケット
参照:MUFGカード ビジネス(Visa・MasterCard) | クレジットカード(MasterCard・Visa・JCB)なら三菱UFJニコス
前述の三井住友銀行と双璧をなすのが三菱東京UFJ銀行(MUFG)。そのMUFGが出している法人クレジットカードが「MUFGカード ビジネス」です。正直なところ、「三井住友ビジネスクラシック(一般)カード」よりは劣ります。旅行保険の付帯がなかったり、クラウド会計サービスとの連携もなかったりと、同じ年会費でこうも変わるのか、というのが残念です。ただし、こちらは個人事業主も申し込むことができますので、銀行系の法人クレジットカードが欲しい個人事業主にはぴったりでしょう。また、国際ブランドを2つ搭載できるのもポイントです。
出張でJRをよく使うなら……「ビュー法人カード」
- 年会費
- 500円
- ポイントプログラム
- なし
- 追加カード
- 1枚追加ごとに2,160円
- 付帯サービスの一例
- 駅レンタカーが10%割引
- JRホテルグループ、東急ホテルズの宿泊料が最大20%割引
- 「Visaビジネスオファー」「Visaビジネスグルメオファー」の利用が可能
- 旅行保険(国内・海外)
引用:法人のお客さま:ビューカード
国内出張でJR線をよく使う法人事業主におすすめのカードです。全国にあるJRホテルグループで宿泊料の割引が受けられる他、駅レンタカーも割安で利用できます。「出張先が新幹線の駅から離れていて、タクシーを使うのはちょっと……」という場合もあると思います。そんな時にありがたいですね。たたし、デメリットとしては、個人事業主は申し込めないこと、ポイントプログラムがないことが挙げられます。特に後者のポイントプログラムがないというのは大きなデメリットです。個人向けのビューカードであれば、切符の購入などで最大1.5%の還元率があるポイントを得られるのですが……。交通費程度であれば、個人向けビューカードで各自決済して後日精算という形式でも問題ないでしょう。また、申し込み条件についても、「原則3年以上の業績があって黒字であること」が公式ホームページにしっかりと明記されていて、審査はわりと厳しいと言えそうです。
出張でJALをよく使うなら……「JALカード(法人普通カード)」
- 年会費
- 2,160円
- ポイントプログラム
- フライトマイルのみ。ただしJALカードなら最大25%増
- 追加カード
- 1枚追加ごとに2,160円
- 付帯サービスの一例
- 入会時、毎年初回搭乗時にボーナスマイル
- 搭乗ごとにフライトマイル25%増
- 割引運賃の「JALビジネスきっぷ」適用
- 旅行保険(国内・海外)
- ETCカード(年会費は無料、発行手数料はかかる場合あり)
参照:JALカード – 法人カード
出張でJALをよく使う事業主におすすめのカードです。他のカードのようなショッピングポイントは付きませんが、JALのマイレージは貯まりやすい設計になっています。入会時に最大5,000マイル、毎年の初回搭乗時には2,000マイルがプレゼントされ、その他搭乗するごとにフライトマイルが25%増で付与されます。乗れば乗るほどお得なカードです。また、運賃が通常よりも割引される「JALビジネスきっぷ」も適用され、一層お得になるます。
リボ払いや分割払いもできる法人クレジットカードなら……「EX Gold for Biz S/M iD×QUICPay」
- 年会費
- 2,160円(初年度無料)
- ポイントプログラム
- あり
- 追加カード
- M(法人向け)……最大3名まで発行可能(年会費無料)、S(個人事業主向け)……不可
- 付帯サービスの一例
- iD、QUICPayを搭載
- クラウド会計ソフト「freee」の2カ月無料延長
- (Sのみ)最大100万円のキャッシング機能
- ETCカード(年会費無料)
- MasterCardビジネスアシスト、もしくはVisaビジネスオファー付帯
参照:EX Gold for Biz S iD×QUICPay(エグゼクティブ ゴールドフォービズ エス アイディ クイックペイ)|ビジネスカード(法人カード)・事業融資のオリコEX Gold for Biz M iD×QUICPay(エグゼクティブ ゴールドフォービズ エム アイディ クイックペイ)|ビジネスカード(法人カード)・事業融資のオリコ
「法人クレジットカードでもリボ払いや分割払いができると助かるんだけど……」という場合におすすめのカードです。一般的な法人クレジットカードでは、支払い方法は1回払いに限定されているものがほとんどですが、この「EX Gold for Biz S/M iD×QUICPayS」はリボ払いや最高で24回まで可能な分割払いを選択することができます。特に個人事業主の場合は、時に資金繰りが厳しくなることもあるでしょう。キャッシュフローに余裕を持たせたい場合に有難いですね。その他の特徴としては、ゴールドカードなのに年会費は2,160円とお手頃で、サービス内容はしっかりとゴールドカード相応のもの。一例としては、旅行保険は海外の場合自動付帯、国内の場合利用付帯で、どちらも最高5,000万円。この年会費でこの保険金額はかなりのものです。「MasterCardビジネスアシスト」または「Visaビジネスオファー」も付帯しています。
赤字だけれどもカードが欲しいなら……「ビジネクスト・法人クレジットカード」
- 年会費
- 完全無料
- ポイントプログラム
- あり
- 追加カード
- 50枚まで発行可能、無料
- 付帯サービスの一例
- レンタカー割引サービス
- ETCカード(年会費無料)
参照:法人クレジットカード | ビジネスローン・事業資金調達・借入なら ビジネクスト
「ちょっと赤字なんだけどカードが欲しい……」という事業主や経営者におすすめなのがこの「ビジネクスト・法人クレジットカード」です。普通であれば、法人クレジットカードは黒字でなければ発行してもらえませんが、このカードは経営が厳しくても発行が可能です。これは口コミレベルではなく、公式ホームページにはっきりと「赤字でも発行可能」と書いてあるのです。地獄で仏に会ったようとはまさにこのことですね。年会費や追加カードも無料です。
楽天市場でよく買い物をするなら……「楽天ビジネスカード」?
- 年会費
- 12,960円(+αで楽天プレミアムカードの年会費10,800円が必要)
- ポイントプログラム
- あり
- 追加カード
- 発行不可(この楽天ビジネスカード自体が追加カードのようなもの。詳しくは後述)
- 付帯サービスの一例
- 旅行保険(国内・海外)
- プライオリティ・パス
- 1%のポイント還元率
「楽天カードマン」のCMでおなじみの楽天カードにも法人クレジットカードがあります。カードの利用で1.0%還元のポイントが付与され、法人クレジットカードとしては高い数字を示します。また、空港ラウンジが無料で利用できる「プライオリティ・パス」も発行してもらえます。
と、まずは良い点を挙げて見ましたが、デメリットも存在します。一番は、この「楽天ビジネスカード」自体が追加カードのようなものであるという点です。このカードを申し込むには、前提として「楽天プレミアムカード」を持っていなければなりません。この楽天プレミアムカードだけで年会費が10,800円かかり、楽天ビジネスカードが発行されれば年会費が追加で12,960円必要となります。合計すれば23,760円、決して安い部類ではありません。同じ理由で、楽天ビジネスカードに追加カードは発行できません。クレジットカードは券面にサインしてある名前の人間しか使えませんから、社員にこのカードを渡して使わせることはできません。もっとも、1人会社の社長、もしくは個人事業主であれば問題はありません。楽天ビジネスカードは、楽天市場をよく使う1人会社の社長、もしくは個人事業主にはおすすめと言えそうです。
法人クレジットカードのメリット

公私混同を防げる
仕事で使った経費なのか、それともプライベートでの出費なのかをはっきりさせることができます。個人用のクレジットカード1枚しか使わない場合、例えば得意先との打ち合わせで喫茶店に入ったときのコーヒー代と、家族で入った喫茶店で飲んだコーヒー代とがごっちゃになり、「あれ、どっちがどっちだったかな?」などと後になってから思い出せないこともあるかもしれません。しかし、法人クレジットカードを別に用意しておけば、接待費のコーヒー代とプライベートのコーヒー代をしっかりと区別することができます。
経費処理が楽
上の話とも繋がってきますが、個人のクレジットカードで経費を処理すると、その経費をいちいち申請しなければいけません。出張の交通費、消耗品の購入費用など、立て替えて支払うものも多いと思います。それをひとつひとつチェックして申請するのはかなりの手間がかかりますし、提出された領収書を精査する経理事務の仕事も膨大な量になってしまいます。しかし、法人クレジットカードがあれば、全ての出費が一本化されて明瞭なものになります。立て替えの必要もなくなりますし、経理事務が個々の領収証をチェックする手間も省けます。
個人向けクレジットカードで経費を支払うのはNGの場合もある!
「公私混同を防げる」「経費処理が楽」というメリットを挙げましたが、実はそもそも、個人向けクレジットカードを会社の経費の支払いに使うことは、規約上できないことになっているカードもあります。もっとも、コーヒー代や文具代くらいの立て替えでは問題にはなりませんが、商社宛に1回の支払いが5万円や10万円になるようなものが何回も行われるようだと、カード会社から確認の連絡が来たり、場合によってはカードの利用が停止されることも……。そうならないためにも、法人クレジットカードを用意しておくほうがいいと言えます。
キャッシュフローの見通しが立てやすい
もちろんクレジットカードである以上、引き落としの日にちは決まっていますから、「○日にいくら引き落とされる」ということがはっきりします。だいたいのクレジットカードでは支払いは1カ月後程度になりますから、その分手元にある資金は多くなります。現金払いだと、いろいろな取引先からの入金がないうちに現金を用意しないといけないということもありますよね。
ポイントが貯まる・付帯サービスが充実
個人向けクレジットカードと同様、利用額に応じでポイントが貯まります。
法人クレジットカードの選び方・オススメまとめ
今回は、法人クレジットカードについて見てきました。
- 法人格を持つ団体向けに作られたクレジットカード。個人事業主も原則は申し込み可能
- 限度額は初めは数十万からというカードが多い
- 引き落とし口座に会社名義の法人口座を指定することができる
- 基本は一括払い。中には分割払いやリボ払いが使えるカードもある
- 年会費、ポイント還元率、付帯サービスを総合して、コストに見合ったサービスを受けられるか
- JCB法人カード(一般カード)……実績があって効率上昇をねらう事業主
- アメリカンエキスプレス・ビジネス・カード……ビジネスサポートは万全、初めて法人クレジットカードに申し込む事業主
- ライフカードビジネス(スタンダード)……一にも二にも経費削減、効率上昇を重視する事業主
- 三井住友ビジネスクラシック(一般)カード……スタンダードなカードだが個人事業主は申し込み不可なので注意
- MUFGカード ビジネス……個人事業主も申し込み可能なスタンダードな銀行系法人クレジットカード
- ビュー法人カード……出張でよくJRを使う事業主
- JALカード(法人普通カード)……出張でよくJALを使う事業主
- EX Gold for Biz S/M iD×QUICPay……分割払いやリボ払いができる法人クレジットカードを探している事業主
- ビジネクスト・法人クレジットカード……赤字だけれども法人クレジットカードが欲しい事業主
- 楽天ビジネスカード……楽天市場をよく使う1人会社の社長、もしくは個人事業主
- 公私混同を防げる
- 経費精算が楽
- キャッシュフローの見立てがつきやすい
- ポイントが貯まる・付帯サービスが充実